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介護現場でのバイタルチェックを解説!測定方法や注意点とは

介護現場でのバイタルチェックを解説!測定方法や注意点とは

「介護現場でのバイタルチェックの目的って何?」

「正しいバイタル測定方法が知りたい」

「グループホームのバイタルチェックで、よくある失敗は?」

などと介護現場でのバイタルチェックについてお調べですね。

バイタルチェックは、入居者の健康を管理・維持するために、毎日行う必要があります。

バイタルチェックを行わないと、防げた病気を見逃してしまうことになるのです。

本記事では、介護におけるバイタルチェックを徹底解説!

各バイタルサインの測定方法やポイントなど、知らないと正しい健康管理ができません。

バイタルチェックをしっかり行って、入居者の異常を早期発見できるようになりましょう。

1.介護現場におけるバイタルチェックの目的

介護現場におけるバイタルチェックの目的

バイタルチェックとは、体温、血圧、脈拍、呼吸の4つのバイタルサインを測ることです。

医療現場では、さらに意識レベル、尿量を含めます。

介護現場では、体温等4つのバイタルサインをチェックすることで、入居者の体調管理を行うのです。

測定した数値は、日々の計測結果を比較できるようバイタルチェック表で管理します。

4つのバイタルサインの基準値は、以下の表をご覧ください。

バイタルサイン 成人 高齢者
体温 36.0℃~37.0℃
血圧 130/85mmHg未満 140/90mmHg未満
脈拍 60~85回/分 50~70回/分
呼吸 12~18回/分 12~28回/分

平常時の値は個人差があります。

毎日チェックすることで、平常時の数値を把握し、異常を早期発見できるのです。

もし異常値が出た場合は、速やかに医師へ相談し、薬の処方や生活改善を検討しなければなりません。

2.グループホームでバイタルチェックをする人と時間

介護現場の中でも、本記事ではグループホームのバイタルチェックに焦点を当てていきましょう。

グループホームの場合、介護士がバイタルチェックを行います。

なぜなら、ほとんどのグループホームで看護師は常駐していないからです。

しかし、看護師がいるグループホームは増えています。

看護師が常駐しているグループホームだと、看護師が行うこともあるでしょう。

また、バイタルチェックは朝食前や入浴前など毎日決まった時間に、1日1回行う施設が多いです。

施設によっては、朝と夕の2回行うところもあります。

このように、勤務する施設によってバイタルチェックをする人や時間は異なるのです。

3.介護士のための4つのバイタルサイン測定方法

介護士のための4つのバイタルサイン測定方法

続いて、介護士がバイタルチェックを行う場合、知っておくべき測定方法を確認しましょう。

異常値も記載しますが、どの項目も毎日測定して、平常時の数値を把握することが重要となります。

なぜなら、平常時の数値と比べて、大きな差がないかをチェックすることで異常が分かるからです。

以下の4つの項目を、順に見ていきます。

  1. 体温
  2. 血圧
  3. 脈拍
  4. 呼吸

それぞれ、「基準値と異常値」「測定のポイント」「異常値が出た場合に疑う症状」を解説します。

正しい測定方法を身に着け、入居者の健康を守りましょう。

測定方法1.体温

基準値:36.0℃~37.0℃
異常値:35℃以下または37℃以上

体温を測ることで、平熱を把握しましょう。

高齢になると、体温に鈍感になる人もいます。

そのため体温が異常値になっていないか、数値でチェックすることは大切です。

また、体温は早朝が最も低く、夕方が最も高くなります

高齢者の場合、体温の変化の幅は狭いとはいえ、夕方の方が熱が出やすいです。

平熱からどれくらい高くなっているか、低くなっているかで異常を判断しましょう。

体温測定のポイント

体温計は、わきの中央に向かって45度の角度で差し込みます。

差し込んだ体温計をわきで挟み、反対側の手で温度計を挟んだ腕を押さえてもらう体勢が、検温の正しい姿勢です。

非接触型の体温計もありますが、誤差が大きいという欠点があります。

正しい体温を確認したいバイタルチェックでは、わきの下で挟む体温計の方が向いているでしょう。

体温が異常値の場合に疑う症状

体温が高温の場合、次のような症状が疑われます。

  • 風邪やインフルエンザ
  • 熱中症
  • 肺炎や結核などの感染症
  • がん
  • 自己免疫疾患
  • アレルギー

高齢者の場合、微熱どまりの人がいます。

微熱が続いたり、平熱と微熱を繰り返したりする人は、体のどこかに炎症が起きている可能性があるのです。

「体がだるい」「食欲がない」など他の症状と併せて医師に相談しましょう。

低温の場合に発祥の可能性がある低体温症は、手足の冷えから起こります。

まずは室温の調整、入浴や足湯、運動を行い、血流を良くして様子を見ましょう。

それでも低体温が続く場合は、医師へ相談します。

測定方法2.血圧

基準値:【成人】130/85mmHg未満、【高齢者】140/90mmHg未満
異常値:【成人】130/85mmHg以上、【高齢者】140/90mmHg以上

血圧を測定すると、心臓機能の低下や血液循環の異常をチェックできます。

緊張して血圧が高くなることがあるため、バイタルチェック前に深呼吸してもらうと正しい数値を測りやすいです。

高血圧からの合併症で死に至る可能性が高い高齢者は、特に注意してチェックする必要があります。

血圧の異常は、ほとんど自覚症状がありません。

平常時の血圧の数値を把握して、血圧が急に上がったり、下がったりしていないか確認しましょう。

血圧測定のポイント

血圧は、腕と心臓を同じ高さにして、肘を曲げずに測定します。

緊張や運動で血圧が高くならないよう、決まった時間にリラックスした状態で測ることです。

厚い服の上からだと正しい測定ができません。

腕が締め付けられて正確な数値が出ないので、腕まくりも避けます。

素肌か薄い服の上から、血圧計を密着させて測りましょう。

血圧が異常値の場合に疑う症状

高血圧の場合、次の症状につながる恐れがあります。

  • 狭心症
  • 心筋梗塞
  • 脳梗塞
  • 脳卒中
  • くも膜下出血
  • 大動脈瘤

高血圧を放置していると、死に至る可能性があります。

毎日測定して、重篤な状態にならないよう気を付けましょう。

一方低血圧の場合、高血圧に比べて問題とならないものの、脳や心臓など疾患が原因で低血圧になっている可能性があります。

また、高齢者の場合は、食後低血圧に気を付けましょう。

食後低血圧とは、食後に血液が胃に集まり、心臓に戻る血液が減ってしまうことです。

年齢による自律神経機能の低下が食後低血圧の原因で、血圧のコントロールができないために起こります。

食後低血圧の予防には、炭水化物を控え、血流が安定するまで食後はゆっくり過ごしましょう。

測定方法3.脈拍

基準値:【成人】60~85回/分、【高齢者】50~70回/分
異常値:1分間に50回未満または100回以上

脈拍を測ることで、血圧と同様、心臓機能や血液循環の異常を察知できます。

異常値の場合、1分間に50回未満だと徐脈、100回以上だと頻脈です。

また、回数は正常でもリズムが乱れている場合も異常となります。

回数だけでなく、脈拍のリズムが乱れず、一定であるかも確認しましょう。

脈拍測定のポイント

脈拍は、人差し指~薬指の3本の指の腹で、手首の動脈を1分間測定します。

自動血圧計で脈拍の測定も可能です。

ただし、自動血圧計だと脈が不規則かどうか分からないことがあります。

そのため、なるべく指で脈を測りましょう。

脈拍が異常値の場合に疑う症状

脈拍の異常は、回数やリズムの異常どちらでも不整脈と呼ばれます。

不整脈の場合、次のような症状を発症につながる可能性があります。

  • 心不全
  • 心室細動
  • 甲状腺機能の異常

重篤な不整脈は、めまいや失禁、けいれんといった症状が現れます。

不整脈の症状がみられる場合は、すぐに医師へ相談しましょう。

測定方法4.呼吸

基準値:【成人】12~18回/分、【高齢者】12~28回/分
異常値:1分間に12回以下または20~30回以上

呼吸は、異常を見つけやすいバイタルサインです。

呼吸の異常は、回数、呼吸の深さ、リズムが重要となります。

さらに、バイタルチェック時に呼吸の仕方も確認すべきです。

たとえば、口をすぼめて呼吸したり、喘ぐように呼吸したりしている場合は注意が必要となります。

普段と異なった呼吸の仕方をしているか、しっかり観察しましょう。

呼吸測定のポイント

呼吸は、「吸って吐く」を1回とし、胸腹部を見て1分間測定します。

回数、リズム、深さに注意して測りましょう。

また、「うーうー」「ひゅーひゅー」など異音がないか、呼吸が苦しそうでないかも観察します。

パルスオキシメーターという血液中の酸素を測る医療機器を活用すると、酸素不足から呼吸不全を発見できるのです。

呼吸が異常値の場合に疑う症状

呼吸の異常は、次のような症状を発症している可能性があります。

  • 誤嚥による気道閉塞、のどの炎症など気道の疾患
  • 肺炎、気管支喘息など肺の疾患
  • 心筋梗塞、心不全など心臓の疾患
  • 貧血
  • 脳卒中

呼吸の異常は、重篤な疾患につながる恐れがあります。

バイタルチェック時に呼吸の異常を見つけた場合は、すぐに医師に相談しましょう。

4.バイタルチェックをするときの3つのポイント

バイタルチェックをするときの3つのポイント

各バイタルサインの基準値や測定方法を確認しました。

バイタルチェックは、毎日行うことで異常を早期に発見できるのです。

入居者の異常を知るためには、次の3つのポイントをおさえましょう。

  1. 毎日決まった時間に行う
  2. リラックスしている状態で行う
  3. 運動や食事をする前に行う

3つのポイントを順番に、詳しく説明します。

ポイント1.毎日決まった時間に行う

バイタルチェックは、毎日決まった時間に行いましょう。

なぜなら、時間帯によって数値が上下することがあるからです。

たとえば、体温は昼間より夜間の方が高くなります。

そのためバイタルチェックの時間がばらついていると、比較できず平常時の数値が分からなくなるのです。

平常時の数値を把握するためには、毎日同じ時間にバイタルチェックを行いましょう。

ポイント2.リラックスしている状態で行う

毎日決まった時間に、リラックスしている状態でバイタルチェックを行いましょう。

なぜなら、バイタルチェック時の体勢や緊張状態によって、数値が変わることがあるからです。

特に血圧は、体勢や緊張で変化しやすいバイタルサインとなります。

正しい測定をするためには、毎日同じ体勢で、リラックスした状態でバイタルチェックを行いましょう。

ポイント3.運動や食事をする前に行う

バイタルチェックは、運動や食事前に行いましょう。

なぜなら、運動、食事、入浴をすると、体温や血圧が上がるからです。

入居者の健康をチェックし、管理するためにも、バイタルチェックは動き出す前に行いましょう。

このように、バイタルチェックは毎日動き出す前の決まった時間、同じ体勢でリラックスして行うことが望ましいのです。

5.バイタルチェックと併せて異常を早期発見する2つの方法

測定ポイントを知ったところで、「もっとバイタルチェックを活用したい」と思う人も多いはずです。

バイタルチェックと併せて、異常を発見する方法を見ていきましょう。

グループホームの場合、入居者の生活を近くでサポートするため、バイタルチェック以外の方法でも異常を発見しやすいです。

バイタルチェックと併せて異常を早期発見する方法は、次の2つがあります。

  1. 入居者に体調を確認する
  2. 見た目や日常生活を観察する

それぞれの方法を順番に確認しましょう。

方法1.入居者に体調を確認する

バイタルチェック時、入居者自身に体調を確認しましょう。

バイタルチェックで異常値が出る前に、不調を発見できる可能性があります。

数値に異常はなくても、「だるい」「食欲がない」などを入居者が感じていることがあるのです。

たとえば、「だるくて食欲がない」という入居者のバイタルサインは基準値内でも、数時間後に発熱することがあります。

数値だけでなく、入居者自身が感じている違和感をくみ取って、異常を早期発見しましょう。

方法2.見た目や日常生活を観察する

バイタルチェック以外にも、見た目や日常生活を観察することで、入居者の不調に気づきやすくなります

たとえば、高齢者の場合、皮膚のかさつきや唇の乾燥は脱水症状を起こしている可能性があるのです。

バイタルチェック以外に観察することは、次のようなものがあります。

  • 皮膚の状態
  • 歩行速度
  • 食欲
  • 意欲
  • 挙動

入居者の外見や行動をよく観察し、入居者の異常にすぐ対応できるようにしましょう。

6.対策しよう!グループホームでよくあるバイタルチェック時の失敗3選バイタルチェックをするときの3つのポイント

対策しよう!グループホームでよくあるバイタルチェック時の失敗3選

最後に、グループホームでよくあるバイタルチェック時の失敗を紹介します。

失敗を知ることで、同じような状況に対応できるはずです。

次の3つの失敗を、対策と共に確認しましょう。

  1. 入居者が拒否してバイタルチェックできない
  2. 血圧がうまく計測できない
  3. 異常値を放置する

順に詳しく解説します。

失敗1.入居者が拒否してバイタルチェックできない

入居者がバイタルチェックを拒否することがあります。

バイタルチェックをする際に暴れたり、口頭で拒否したり、逃亡したりする人がいるのです。

たとえば、入浴前にバイタルチェックをしていると、Aさんが拒否し出した事例があります。

Aさんはお風呂が嫌いで、「バイタルチェック=お風呂」と捉えていたのです。

このような場合でも、健康管理のために毎日バイタルチェックを行う必要があります。

【対策1】拒否する理由を聞いて説得する

バイタルチェック拒否の対策として、拒否する理由を聞いて説得する方法があります。

口頭で拒否する場合は、バイタルチェックが嫌な理由を聞くのです。

そして、分かりやすい言葉でバイタルチェックの必要性を説明し、安心してもらいましょう。

たとえば、Aさんの場合、「入浴前に行うことで、体調管理をしやすい」といった理由をしっかり説明するのです。

理由に納得すれば、測定させてくれる可能性があります。

【対策2】時間をずらす

どうしてもバイタルチェックを拒否して、決まった時間に測定できないことがあります。

その場合は、嫌がる理由を考えた上で、その日のバイタルチェックの時間をずらしましょう

Aさんの場合で言うと、入浴前のバイタルチェックを、入浴後にずらすのです。

数日間、入浴後にバイタルチェックを行うことで、入浴前に測定しても拒否しなくなることがあります。

バイタルチェックは決まった時間、入浴前などの測定が望ましいです。

しかし、どうしても難しい場合は臨機応変に対応しましょう。

失敗2.血圧がうまく計測できない

バイタルチェック時に、「なんだか血圧がうまく計測できない」というケースもあります。

介護士の場合、自動血圧計を使うため失敗は少ないですが、異様に昨日と今日で数値に大きな差があることがあるのです。

そんなとき、「ちゃんと計測できているのかな」という気持ちになることでしょう。

そのまま数値を記載することが躊躇われるなら、次の対策を行います。

【対策】同じ条件で測定しているか再度確認する

普段と同じ条件で測定しているか、もう一度確認しましょう。

たとえば、血圧は服の上から測っているか、同じ腕で測っているかだけで変化します。

また、寒いと血圧が高くなることもあるため、気候も要チェックです。

普段と同じ条件で測定しても、血圧に変化がないなら、入居者が緊張している可能性があります。

入居者の緊張を深呼吸でほぐしてから測定しましょう。

それでも血圧に変化がないなら、医師や看護師に相談します。

失敗3.異常値を放置する

バイタルチェックをしたとき、数値が異常値を示したのに、すぐ対処せずにいると入居者の命に関わります

たとえば、血圧が高いのに放置し、入居者が心筋梗塞となって倒れたということになるのです。

軽い熱でも、そのままにしていると肺炎になって亡くなる可能性があります。

バイタルチェックで異常値が出たら、すぐに対処が必要です。

【対策】異常値が出たらすぐに相談

バイタルチェックで異常値が出た場合、医師や看護師に相談しましょう。

また、施設管理者など医療従事者と上司にも報告・相談します。

迅速に相談することで、入居者の命を守ることができるのです。

相談の上、生活改善で対処できるか、薬の処方や治療が必要か、今後の方針を決定します。

入居者の健康を維持するためにも、バイタルチェックの異常値を放置せず、速やかに対処しましょう。

まとめ

バイタルチェックは毎日決まった時間、同じ体勢で行い、平常時の数値を把握しておくことが重要

なぜなら、バイタルチェックの数値を比較することで、入居者の異常を察知するためです。

異常値が出たらすぐに医師に相談し、生活改善や薬の処方などの対処をしましょう。

また、バイタルチェックに併せて、入居者の状態を観察することで、不調を早期発見できる可能性があります。

特にグループホームは入居者の生活を身近で見られるため、入居者の状態を把握しやすいです。

バイタルチェックの活用と普段の状態を観察することで、入居者の健康を守りましょう。